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図3.3,2.3−3にGPS,GLONASS衛星の可視状況を示す。GLONASSが完成したとされる1995年12月14日から今日まで新たな衛星の打ち上げはなく、スロット番号1,5および24の衛星は寿命が尽き送信停止している。その他に1〜2個の衛星が不健康信号を出しており、19ないし20個の衛星が測位に使用できる状況下にある。従って東京で24時間測位は可能であるが測位精度(DOP)劣化もしばしば発生している。新しい衛星が次々に打ち上げられ・現在25〜26個の使用可能衛星があるGPSとは対照的であり、ロシアの政治経済状況と併せて大きな不安材料となっているのも否めない。

図3.3.2.3−3 GPS/GLONASS可視衛星数

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3. GLONASS開発の動向
(1)ロシアの計画
開発経過については平成7年度に既に報告したが、平成8年度に大きな変化は見られないので、参考までにそのレビューとして報告する。
1993年9月24日のロシア連邦大統領令と1995年3月7日発行のロシア連邦政府令No.237によりロシア空軍がGLONASSシステムの衛星軌道配置の展開を計画通りに実行すること、それらを全てコントロールし利用者のナビゲーション装置に関してもコーディネイトすること及び今後のGLONASSプログラムの開発などを続けることになった。同令No.237によれば国防省(MOD)、ロシア宇宙局(RSA)、運輸省(MOT)は民生のGLONASSプログラムの開発を、航法装置の設計や生産およびディファレンシャル・サブシステムの開発について国際的な利用を続けることも含めて命令された。
これらに基づき1996年第1四半期にロシア空軍は新シリーズ衛星(GLONASS−M)の飛行試験を行うこと、さらに新技術によりGLONASS,GPS,GLONASS−GPS信号を処理可能とする利用者航法装置・ディファレンシャル補正局・インテグリティ制御局などの3〜4のテストサンプルを1996年からを計画実施することとなっている。
ディファレンシャル・サブシステムについてもWAD(Wide Area Differential)、RAD(Re−gional Area Differential)、LAD(Local Area Differential)の3レベルの階層で開発を進め、それらはUDS(United Differential System)に統合される。ロシア形WADはロシアの衛星複合インフラ(Russian space vehicles control complex)をべースに構築され、LADは国際的DGNSSと接続される計画である。
以上のシステム構築に際してはIM0やICAO活動や国際的GNSS標準や勧告に適合させ、利

 

 

 

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